■4次元正多面体の怪(その6)

 6種類ある4次元正多胞体の包含関係を考えよう.興味深いことに,正120胞体の頂点をうまくとると,他の正5,8,16,24,600胞体をすべて作ることができる.

 その意味で,正120胞体は4次元の「万有正多面体」である.3次元の正12面体の頂点からは正4面体と立方体を作ることができるが,正8面体と正20面体は面の中心を使わなければ作ることができないから,正120胞体ほど完全な万有正多面体ではないのである.

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【1】頂点による包含関係(inclusion property)

 頂点の関係から,6種類の4次元正多胞体の包含関係(巡礼)をまとめると,

  正16胞体≦正8胞体≦正24胞体≦正600胞体≦正120胞体

  正5胞体≦正120胞体

となる.すなわち,正120胞体の頂点をうまくとると,他の正5,8,16,24,600胞体をすべて作ることができる.その意味で,正120胞体は4次元の「万有正多面体」である.

 なお,120÷5=24なので,一見正600胞体の120個の頂点からうまく選べば正5胞体が24個含まれても良いように見えるが,正600胞体の頂点を結んでも同じ中心をもつ正5胞体は作れない.4次元正多胞体の中で正5胞体は何か異端児である.

 ともあれ,頂点による包含関係が確定したところで,4次元正多胞体の元素を構成するを考えよう.正600胞体は正24胞体のroofをなすが,正120胞体は正600胞体のroofをなすと同時に,正5胞体のroofもなす.3次元の場合でいえばδが2個あるようなもので,正5胞体と正120胞体をそれぞれ単独でひとつの元素とみなしても同じことである.

 実際,正16胞体と正8胞体の間のroofをRPとすると

  RP16個 → 正16胞体

  RP24個 → 正8胞体

  RP192個→ 正24胞体

となり,4種類の元素(RP,正5胞体,正600胞体,正120胞体)があればすべての4次元正多胞体を構成できることがわかった.「4次元正多胞体の元素数は≦4である」ことが証明されたことになる.

 この構成法はbest possibleと考えられ,4次元正多胞体をどのように分割し,接合しても元素数は4より減らせそうにないことから

  [予想]4次元正多胞体の元素数は4である.

と予想される.この状況をなんとか打破することはできないだろうか?

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