■平行体の体積とグラミアン(その55)

 後で気づいたのであるが,(その50)−(その54)で述べたことは置換多面体の体積の検算に使えるかもしれない.すなわち,複体の単体(直角三角錐)分解である.となれば,正軸体版にも使えることになるので,その計算方法を示しておきたい.

===================================

【1】正軸体版の場合

[1]切頂・切稜点

 n次元正軸体の頂点の座標は

  (1,0,・・・,0)

  (0,1,・・・,0)

  ・・・・・・・・・・・

  (0,0,・・・,1)

で与えられるから,基本単体の座標はk次元面の重心をとることによって,

  p0(1,0,・・・,0)

  p1(1/2,1/2,0,・・・,0)

  p2(1/3,1/3,1/3,0,・・・,0)

  ・・・・・・・・・・・・・・・・

  pn-1(1/n,1/n,1/n,・・・,1/n)

  pn(0,0,・・・,0)

 3次元の場合,x≧y≧z≧0なる点P(x,y,z)が与えられたとき,ずべての稜線の長さが等しくなるのは,点P(x,y,z)からx=y平面,y=z平面,z=0平面までの距離を等しくとると

  (x−y)/√2=(y−z)/√2=z

 → y=z+√2z

   x=y+√2z=z+2√2z

これらは,x+y+z=1上の点であるから代入すると,

  3z+3√2z=1 → z=1/(3+3√2)

また,点P(x,y,z)のz=0平面に対する鏡映は(x,y,−z)であるから,辺の長さは2z.

 4次元の場合は,点P(x,y,z,w)からx=y平面,y=z平面,z=w平面,w=0平面までの距離を等しくとると

  (x−y)/√2=(y−z)/√2=(z−w)/√2=w

 → z=w+√2w

   y=z+√2w=w+2√2w

   x=y+√2w=w+3√2w

これらは,x+y+z=1上の点であるから代入すると,

  4w+6√2w=1 → w=1/(4+6√2)

また,点P(x,y,z,w)のw=0平面に対する鏡映は(x,y,z,−w)であるから,辺の長さは2w

 一般には,S=n(n−1)/2として

 → nω+S√2ω=1,ω=1/(n+S√2)

   x=(1+(n−1)√2)ω,y=(1+(n−2)√2)ω,z=(1+(n−3)√2)ω,・・・,ω=ω

となることが理解される.

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

[2]中心から各面までの距離

 切頂切稜面はPkPnに垂直で,点

  Q=(x1,・・・,xn),x1=x,x2=y,・・・,xn=ω

を通る.

PnP0=(1,0,・・・,0)

PnP1=(1/2,1/2,0,・・・,0)

PnPn-1=(1/n,・・・,1/n,1/n)

 ファセットを定めている不等式は,

  a・x=c

で与えられる.一般に,超平面a・x=cと点x0の距離は

  |a・x0−c|/‖a‖

とくに,原点からファセットまでの距離は|c|/‖a‖となる.

 PnP0に垂直なn次元超平面が点Qを通るので,

  a=(1,0,・・・,0)=(a1,a2,・・・,an)

  q=(x1,x2,x3,・・・,xn)

  X=(X1,X2,・・・,Xn)

とすると,この超平面をa・(x−q)=0,a・x=a・q=cで表すと

  c0=x1

  h0=|c0|/‖a‖,‖a‖=(1^2)^1/2

 この平面a・x−c0=0に点Pnから下ろした垂線の足は

  X1=−a1c0/(a1^2+・・・+an^2)=−a1c0/‖a‖^2

  X2=0,・・・

 あるいは,直線

  (X1−a1)/a1=kとの交点を直接求めてみると

  X1=(k+1)a1,Y=0,・・・

  −a1X1−a2X2−・・・−c0=0

に代入すると

  (k+1){a1^2}=−c0

  k+1=−c0/(a1^2)

となって

  X1=−a1c0/(a1^2+・・・+an^2)=−a1c0/‖a‖^2

  X2=0,・・・

と一致する.

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 PnP1に垂直なn次元超平面では,辺心は

  a=(1/2,1/2,0,・・・,0)=(a1,a2,・・・,an)

  c1=(x1+x2)/2

  h1=|c1|/‖a‖,‖a‖=((1/2)^2+(1/2)^2)^1/2=1/√2

 この平面a・x−c1=0に点Pnから下ろした垂線の足は

  X1=−a1c1/(a1^2+・・・+an^2)=−a1c1/‖a‖^2

  X2=−a2c1/(a2^2+・・・+an^2)=−a2c1/‖a‖^2

  X3=0,・・・

 あるいは,直線

  (X1−a1)/a1=(X2−a2)/a2=kとの交点を直接求めてみると

  X1=(k+1)a1,X2=(k+1)a2,X3=0,・・・

  −a1X1−a2X2−・・・−c1=0

に代入すると

  (k+1){a1^2+a2^2+・・・}=−c1

  k+1=−c1/(a1^2+a2^2+・・・+an^2)

となって

  X1=−a1c1/(a1^2+・・・+an^2)=−a1c1/‖a‖^2

  X2=−a2c1/(a2^2+・・・+an^2)=−a2c1/‖a‖^2

  X3=0,・・・

と一致する.

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 PnPn-1に垂直なn次元超平面では,胞心は

  a=(1/n,・・・,1/n,1/n)=(a1,a2,・・・,an)

ここには切頂・切稜は施されないので,胞心面までの距離は1/√nであるが,同様に

  cn-1=(x1+x2+・・・+xn)/n=1/n

  hn-1=|cn-1|/‖a‖,‖a‖=((1/n)^2+・・・+(1/n)^2)^1/2=1/√n

  ‖ak‖^2=1/√k

 この平面a・x−cn-1=0に点Pnから下ろした垂線の足は

  X1=−a1cn-1/(a1^2+・・・+an^2)=−a1cn-1/‖a‖^2

  X2=−a2cn-1/(a1^2+・・・+an^2)=−a2cn-1/‖a‖^2,・・・,

  Xn=−ancn-1/(a1^2+・・・+an^2)=−ancn-1/‖a‖^2

 あるいは,直線

  (X1−a1)/a1=(X2−a2)/a2=・・・=(Xn−an)/an=kとの交点を直接求めてみると

  X1=(k+1)a1,X2=(k+1)a2,・・・,Xn=(k−1)an,

  −a1X1−a2X2−・・・−cn-1=0

に代入すると

  (k+1){a1^2+・・・+an^2}=−cn-1

  k+1=−cn-1/(a1^2+・・・+an^2)

となって

  X1=−a1cn-1/(a1^2+・・・+an^2)=−a1cn-1/‖a‖^2

  X2=−a2cn-1/(a1^2+・・・+an^2)=−a2cn-1/‖a‖^2,・・・,

  Xn=−ancn-1/(a1^2+・・・+an^2)=−ancn-1/‖a‖^2

と一致する.

 辺の長さを1に規格化する.

  Hk=hk/2ω=hk/(2n+n(n−1)√2)

===================================

 aj=1として,切頂・切稜点Q(x1,x2,・・・,xn-1,0)から,

  x1=a1平面

  x1/a1−x2/a2=0平面

  ・・・・・・・・・・・・・・・

  xn-2/an-2−xn-1/an-1=0平面

に下ろした垂線の足の座標を(X1,X2,・・・,Xn)とすると,

[1]x1=a1平面

  X1−x1=1/a1(x1/a1)/(1/a1^2),

  X2−x2=0,・・・,Xn−xn=0

[2]x1/a1−x2/a2=0平面

  X1−x1=1/a1(x1/a1−x2/a2)/(1/a1^2+1/a2^2)

  X2−x2=1/a2(x1/a1−x2/a2)/(1/a1^2+1/a2^2),・・・,Xn−xn=0

[3]xn-2/an-2−xn-1/an-1=0平面

  X1−x1=0,X2−x2=0

  Xn-2−xn-2=1/an-2(xn-2/an-2−xn-1/an-1)/(1/an-2^2+1/an-1^2),Xn−xn=0

  Xn-1−xn-1=1/an-1(xn-2/an-2−xn-1/an-1)/(1/an-2^2+1/an-1^2),Xn−xn=0

 なお,ここで

  |x1/a1|/√(1/a1^2)=|x1/a1−x2/a2|/√(1/a1^2+1/a2^2)=|xn-2/an-2−xn-1/an-1|/√(1/an-2^2+1/an-1^2)

が成り立っている.また,Pn,Qを通り,それらを2等分する超平面は存在しないことを申し添えておく.

===================================