■和算と算額(その18)

 三角形ABCの各辺を1:λの比に順次内分した点D,E,Fとし,AD,BE,CFの2本ずつの交点が作る三角計PQRを仮に「縮小三角形」と呼ぶことにする.

 正三角形の縮小三角形は正三角形であるが,コラム「縮小三角形の問題」では,任意の三角形の縮小三角形がもとの三角形と相似になる場合を扱った.

 ΔPQRの面積/ΔABCの面積=(λ−1)^2/(λ^2+λ+1)

   λ=2なら1/7,λ=3なら4/13

 相似条件式はa≦c≦bまたはb≦c≦aとして

  a^2+λb^2−(λ+1)c^2=0

になる.もちろんa=b=cはこれを満足するが,それ以外にも多数の解がある.そしてそれが必要十分条件であり,実際に縮小三角形がもとの三角形と裏返しに相似になる.

 算額のなかに,縮小三角形に似た問題を見つけたのでので紹介したい.1830年一関の和算家・千葉胤秀編集の「算法新書」より出典とある.算額にはまったかも・・・

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[Q]与えられた△ABCの各辺を伸長した位置に点A’,B’,C’をとって作った△A’B’C’がもとの△ABCと同じ向きに相似相似になっている.

  A’B’=3寸,B’C’=6寸,A’C’=4寸,AA’+BB’+CC’=5寸のとき,CC’の長さを求めよ.

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