■平行体の体積とグラミアン(その42)

 平行体の体積計算では,2つの方法

[1]漸化式

[2]行列式(グラミアン)

が考えられる.置換多面体とその正軸体版の2種類の多面体について,2つの方法で計算したところ,どちらの多面体でも4次元まで[1][2]は一致したものの5次元以上で乖離してしまった.

 このことは正軸体版については予想されていたものの,置換多面体については想定外だった.[1]を修正してみても[2]の結果と合致しない.そこで,置換多面体とその正軸体版の中心から各面までの距離を元になる正単体と正軸体の中心から各面までの距離と比較することから考え直すことにした.

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【1】正単体の中心から各面までの距離

 n次元正単体はn+1次元空間内のn+1個の単位点(1つだけ座標が1で他が0である点)

  V1(1,0,・・・,0,0)

  V2(0,1,・・・,0,0)

  ・・・・・・・・・・・・・・

  Vn+1(0,0,・・・,0,1)

から生成される.これらの頂点間距離は√2である.

 その際,0次元面〜n次元面の中心は

  {V1,V2,・・・,Vr}

から生成されるので,

  P0(1,0,0,・・・,0)

  P1(1/2,1/2,0,・・・,0)

  P2(1/3,1/3,1/3,・・・,0)

  Pn-1(1/n,1/n,1/n,・・・,0) 

  Pn(1/(n+1),1/(n+1),・・・,1/(n+1))

 したがって,n次元正単体の中心Pnとk次元面の中心Pkとの距離の平方は

  (k+1)(1/(k+1)−1/(n+1))^2+(n−k)/(n+1)^2

=(n−k)/(k+1)(n+1)

 辺の長さを1に規格化すると,n次元正単体の中心Pnとk次元面の中心Pkとの距離は

{(n−k)/2(k+1)(n+1)}^1/2

 これを(その37)の

  Hk=hk/2|x1−a1|=hk/|1−y1|

  hk=Hk|1−y1|

と比較して,不等式

  Hk|1−y1|≦{(n−k)/2(k+1)(n+1)}^1/2

が常に成り立つことを確認する必要がある.

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【2】正軸体の中心から各面までの距離

 n次元正軸体の頂点の座標は

  (1,0,・・・,0)

  (0,1,・・・,0)

  ・・・・・・・・・・・

  (0,0,・・・,1)

で与えられるから,基本単体の座標はk次元面の重心をとることによって,

  p0(1,0,・・・,0)

  p1(1/2,1/2,0,・・・,0)

  p2(1/3,1/3,1/3,0,・・・,0)

  ・・・・・・・・・・・・・・・・

  pn-1(1/n,1/n,1/n,・・・,1/n)

  pn(0,0,・・・,0)

 したがって,n次元正軸体の中心Pnとk次元面の中心Pkとの距離の平方は

  (k+1)(1/(k+1))^2=1/(k+1)

 これを(その37)の

  Hk=hk/2ω=hk/(2n+n(n−1)√2)

  hk=Hk(2n+n(n−1)√2)

と比較して,

  Hk(2n+n(n−1)√2)≦1/(k+1)

が常に成り立つことを確認する必要がある.

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