シュタイナーの定理は最初の2円が同心円になるような反転を考えると容易に証明できる.メビウス変換
w=(az+b)/(cz+d)
は円を円に変換する.(この変換は円は円に移り,直線も円へ移るという性質を併せもつ.)
1=(a+b)/(c+d)
-1=(-a+b)/(-c+d)
α=b/d
を解くと
w=(z+α)/(αz+1)
は半径1の円板をそれ自身に移し,[-1,0,1]はそれぞれ[-1,α,1]に移されることがわかる.(円板の中心が円板の中心に移されるわけではない).
[0,i,-i]を[1,-1,0]に移す変換は
w=-(z+i)/(3z-i)
メビウス変換
w=(z+α)/(αz+1)
の逆変換は
z=(-w+α)/(αw-1)
であるが,一般には
w=(az+b)/(cz+d)
の逆変換は
z=(dw-b)/(-cw+a)
少しだけ補足しておきたい.
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1次分数変換(メビウス変換)
w=f(z)=(az+b)/(cz+d)
は複素数球面上で考えると1つの回転に対応していて,たとえば,数zを
(z-1)/(z+1)
に置き換えるには,北極と南極が赤道のところにくるように球を90°回転させればよい.この写像は等角写像になる.
この変換の不動点は
z=(az+b)/(cz+d)
これは2次方程式だから一般には2根をもつ.c=0のとき不動点のひとつは∞である.不動点がひとつの重なってしまうための条件は
D=(a-d)^2+4bc=0
である.
もし,ad-bc=1と正規化されているとすると
D=(a-d)^2+4bc=(a+d)^2-4=0
D>0で,相異なる2根a,bをもつときは
(w-a)/(w-b)=k(z-a)/(z-b)
という形に書ける(a,bで決まるシュタイナーの円).
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