■初等幾何の楽しみ(その85)

 4次方程式までは代数的に解ける.5次方程式はベキ根と加減乗除では解けないが,楕円関数を使って(すべての場合)解けると聞いている(これの論文や公式をみたことはないが・・・).

 一方,作図とは加減乗除と平方根である.作図可能性の問題と4次方程式までの根の公式とは歴史的にも同期がとれていない.畑が別の問題なのであろう.

 (その83)で調べたとおり,倍角公式は4次方程式になった.

  ax^4+bx^3+cx^2+dx+e=0

この4次方程式が加減乗除と平方根の範囲内で代数的に解けるための条件は?

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 結局,カルダノ,フェラーリの公式とにらめっこするしかないのだろうか?

 とすれば,解の中で邪魔なのは(・・・)^1/3と(・・・)^2/3の項である.これらが0となるかあるいはお互いにキャンセルされる条件を列挙すればa,b,c,d,eに関するテスト関数はできることになる.

 しかし,

  F(a,b,c,d,e)=0←→Fは作図可能

というFを求めることは難しそうである.

  F(a,b,c,d,e)=0 →Fは作図可能

というFを求めるだけならば(ひょっとしたらできるかもしれないが)かなり複雑になりそうである.すぐには着手できないが,熟考してみたい.

[補]1858年に,エルミートとクロネッカーは楕円モジュラー関数を使えば5次方程式が解けることをかっけんした.この方法はn次方程式にも拡張できることがジョルダンによって実現された.

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