■初等幾何の楽しみ(その83)

 周長が

  ∫(0,x)1/(1-x^n)^(1/2)dx   (n=1~6)

で与えられる曲線については

[1]任意等分可能・・・・・・カージオイド

[2]2^mΠpi 等分可能・・・円,レムニスケート

[3]2^m等分可能・・・・・・r^3/2=cos(3θ/2),r^3=cos(3θ)

[4]2等分すら不可能・・・・r^5/2=cos(5θ/2)

と分類できるようである.

 2等分可能な曲線は4等分,8等分も可能であったが,どうしてなのだろうか?

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【1】無理関数型加法定理

 2等分点を求める問題は,倍角公式

  2x(1+mx^2+nx^4)^1/2/(1−nx^4)=α

の問題に還元される.

  円:m=−1,n=0,α=1,k=0

  レムニスケート:m=0,n=−1,α=1,k=i

  中間曲線:m=−(1+k^2),n=k^2,α=(4√3−6)^1/2

       k=(√2+√6)/4,k^2=(2+√3)/4

 ここで,倍角公式

  s(2u)=α  (αは定数)

ではなく

  s(2u)=a  (aは一般の不定変数)

とする.

  2x(1+mx^2+nx^4)^1/2=a(1−nx^4)

  4x^2(1+mx^2+nx^4)=a^2(1−nx^4)^2

y=x^2とおくと,4次式

  4y(1+my+ny^2)=a^2(1−ny^2)^2

に還元される.

 これがさらに2次式に還元できればよいのであるが,

  4y(1−(1+k^2)y+k^2y^2)=a^2(1−k^2y^2)^2

  4y(1−y)(1−k^2y)=a^2(1−ky)^2(1+ky)^2

となって因数分解は無駄のようだ.

 2等分方程式

  4y(1+my+ny^2)=a^2(1−ny^2)^2

はどのようなときに2次方程式の範囲内で代数的に解くことができるのだろうか?

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【2】有理関数型加法定理

  p(2u)=(p^4+2p^2+1)/(4p^3−4p)=1

  p(2u)=(p^4+8p)/(4p^3−4)=1

 これらは初めから4次式の形で得られる.右辺を一般の不定変数aとしてもよいのであるが,一般に2次方程式の範囲内で代数的に可解ではない.どのようなときに完全に解くことができるのだろうか?

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