■詐欺ジョンソン・ザルガラー多面体(その4)

 1966年,ザルガラーは正多角面体(すべての面が正多角形である凸多面体)は正多面体,準正多面体を除くと92種類存在することをコンピュータを使うことによってその証明を与えました.

 ザルガラーの証明では凹面や曲面を排除するのがいかに大変だったかが容易に推測されます.たとえば,中川宏さんはこれまでいくつかの詐欺ジョンソン・ザルガラー多面体を考案しているのですが,なかにはコンピュータを使った計算で詐欺ジョンソン・ザルガラー多面体であることを確かめるしかなかったものもあるほどです.→(その1)〜(その3)およびコラム「学会見聞録(詐欺ジョンソン・ザルガラー多面体)」参照.

 今回のコラムでは,中川さん考案の新作・詐欺多面体を見ていくことにしましょう.

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【1】93番目のジョンソン・ザルガラー多面体?

 北極と南極は正6角形,中緯度帯は正五角形と三角形5枚からなる五角錐を交互に巻いていきます.これを2セットつくり,北半球と南半球とし,経度がおなじところでは正五角形と五角錐が頂点で接するようにします.赤道は12枚の正三角形で埋めます。

正6角形・・・2枚

正5角形・・・6枚

正3角形・・・42枚

からなります(3^425^66^2).

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【2】雑感

 J92を元にして考案されたものと思われますが,読者はまずこのモデルを構成してみるとよいでしょう.夏休みに入ったことですし,お子さんと一緒にポリドロンで遊んでみませんか? 「ポリドロン」は東京書籍がその取り扱い店となっています.

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