■平行体の体積とグラミアン(その14)

 まず,n=3の置換多面体の体積が正しく算出できるかを調べてみたい.昨日中に計算に移りたかったのであるが,仕事の合間を縫っての作業であるから,なかなか進まないのは致し方なし.

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 1次元置換多面体は線分,2次元置換多面体は六角形,3次元置換多面体は切頂八面体である.辺の長さを1に規格化すると

  V1=1,V2=3√3/2

  V3=1/2(4/3)^3/(√2/3)^3=1/2(4/√2)^3=8√2

 切頂切稜点を(x0,x1,x2,x3),Σx=1とすると

  ω=1/(4+6√2)

  x0=(1+3√2)ω

  x1=(1+2√2)ω

  x2=(1+√2)ω

  x3=ω

これよりh0,h1,h2を求めたがNG.そこで,再度,元の計算方法にも戻すことにした.

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 3次元の場合,全体を1次元あげて4次元正単体の境界多面体

  V1(1,0,0,0)

  V2(0,1,0,0)

  V3(0,0,1,0)

  V4(0,0,0,1)

  x+y+z+w=1

をとるとしよう.

 x≧y≧z≧w≧0なる点P(x,y,z,w)が与えられたとき,ずべての稜線の長さが等しくなるのは,点Pからw=0平面,x=y平面,y=z平面,z=w平面までの距離が等しいときである.点Pをn−1次元境界多面体上の点(w=0)として,点P(x,y,z,0)からx=y平面,y=z平面,z=w平面までの距離を等しくとると

  (x−y)/√2=(y−z)/√2=(z−w)/√2

 → x=3z,y=2z,z=z,w=0

これらは,x+y+z+w=1上の点であるから代入すると,6z=1

 → x=1/2,y=1/3,z=1/6,w=0

一般には,S=n(n+1)/2として

 → x=n/S,y=(n−1)/S,z=(n−2)/s,・・・,w=0

 また,点P(x,y,z,w)のx=y平面に対する鏡映は(y,x,z,w)であるから,辺の長さは√2|x−y|=√2/S.

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 切頂切稜点を(x0,x1,x2,x3),Σx=1とすると

  x0=1/2,x1=1/3,x2=1/6,x3=0

これより

  h0=6/12,h1=√26/12,h2=√12/12

となって計算は簡単になったが,8枚の六角形と6枚の正方形からなる切頂八面体の体積は

  V3=(4V2h0+6V1h1+4V2h2)/3(√2/S)≠8√2

 困ったものであるが,ここですぐ気づくことは8枚の六角形面までの距離がh0とh2とで異なっていることである.

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