■n次元の立方体と直角三角錐(その94)

 (その93)で述べたことを要約すると

(1)n次元ボロノイ細胞の1個の頂点の周りにn個のn−1次元面が集まること

(2)ボロノイベクトルにはボロノイ細胞のn−1次元超平面の中心を通過するものがn個,ボロノイ細胞の角(n−2次元超平面,・・・)を通過するものが2^n−1−n個で計2^n−1個あること

となる.

 (1)は単純多面体,(2)はそれを切稜・切頂することをイメージするとよいだろう.具体的にいうと,2次元の場合は正三角形を切頂して正六角形にすること,3次元の場合は正四面体を切稜・切頂して切頂八面体を作ることであるし,4次元の場合,10個の切頂八面体と20個の正六角柱よりなる空間充填平行多面体が導かれることになる.

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【1】形状ベクトル

 多胞体の中心からk次元面の中心に向かうベクトルを組にしたボロノイベクトルを

  (v0,v1,・・・,vn-1)

で表すことにする.

 形状ベクトルは,ボロノイベクトルに対してそのスイッチをオンオフするベクトル

  (m0,m1,・・・,mn-1)

ただし,miは同時に0であってはならない.また,

  (m0v0,m1v1,・・・,mn-1vn-1)

は残存する頂点を決定するパラメータと考えることができる.

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【2】切頂多面体

 すべての頂点の周りが状態が一様で,辺の長さがすべて等しい多胞体が積多胞体である.辺の長さを等しくするためには,鏡映対称面までの距離が等しくなるように,vkを伸縮させて調整する.

 切頂多面体は

  {3.・・・,3,4}(・・,0,1,0,・・・・)

  {3.・・・,3,4}(・・,0,1,1,0,・・)

などで表されることになる.

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【3】切頂切稜多面体

  {3.・・・,3,4}(1,・・,0,0,・・,1)  (切頂優位)

  {3.・・・,3,4}(1,・・,0,1,・・,1)  (切稜優位)

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