■n次元の立方体と直角三角錐(その74)

 (その72)では置換多面体のf3公式でつまづいたが,原因を明らかにすることができなかったので,再考したい.正軸体版のf3公式も調べてみる.

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【1】置換多面体の逐次構造

[1]4次元置換多面体では,正5胞体の5頂点に切頂八面体が配置されている.正5胞体の胞に配置されたところには新たに5個の切頂八面体ができる.また,正5胞体の辺と面に配置されたところにはそれぞれ10個の六角柱ができるので,5+10+10+5=30胞体となる.すなわち,新たに25個の3次元面ができるわけである.

[2]5次元置換多面体では,正6胞体の6頂点に4次元置換多面体が配置されている.6個の4次元置換多面体の3次元面数の合計は30個×6=180である.このうち正6胞体の胞に配置された6カ所は4次元置換多面体(共面)となるので,新たに25個の3次元面ができる.また,正6胞体の辺に配置された15カ所には新たに切頂八面体柱の側面(14面)×15=210個の3次元面ができるので,合計180+150+210=540となる.・・・(OK)

[3]6次元置換多面体では,正7胞体の7頂点に5次元置換多面体が配置されている.7個の5次元置換多面体の3次元面数の合計は540個×7=3780である.このうち正7胞体の胞に配置された7カ所は5次元置換多面体(共面)となるので,新たに210個の3次元面ができる.また,正7胞体の辺に配置された21カ所には新たに4次元置換多面体柱の側面(150面)×21=3150個の3次元面ができるので,合計3780+1050+3150=8400となる.・・・(OK)

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【2】正軸体版の逐次構造

[1]4次元正軸体版では,正16胞体の8頂点に大菱形立方八面体が配置されている.正16胞体の胞に配置されたところには新たに6個の切頂八面体ができる.また,正5胞体の辺と面に配置されたところにはそれぞれ24個と32個の胞ができるので,8+24+32+16=80胞体となる.すなわち,新たに72個の3次元面ができるわけである.

[2]5次元正軸体版では,正32胞体の10頂点に4次元正軸体版が配置されている.12個の4次元正軸体版の3次元面数の合計は80個×10=800である.このうち正32胞体の胞に配置された32カ所は4次元置換多面体(共面)となるので,新たに25個の3次元面ができる.また,正32胞体の辺に配置された40カ所には新たに大菱形立方八面体柱の側面(26面)×40=1040個の3次元面ができるので,合計800+800+1040=2640となる.・・・(OK)

[3]6次元正軸体版は,正64胞体の12頂点に5次元正軸体版が配置されている.12個の5次元正軸体版3次元面数の合計は2640面×12=31680である.このうち正64胞体の胞に配置された64カ所は5次元置換多面体(共面)となるので,新たに210個の3次元面ができる.また,正64胞体の辺に配置された60カ所には新たに4次元正軸体版柱の側面(464面)×60=27840個の3次元面ができるので,合計31680+13400+27840=72960となる.・・・(OK)

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【3】まとめ

 これまでわかったことは,置換多面体の場合

  Nk^(n)=n+1Ck+1

正軸体版の場合

  Nk^(n)=2^(k+1)nCk+1

として,k次元面数は,n≧k+2として

  fk^(n)=N0^(n)fk^(n-1)+N1^(n)fk-1^(n-2)+α(n)

 α(n)が問題となることがわかった.また,fn^(n)=1が使えるかどうかはまだ検討していない.

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