■n次元正多面体の辺と対角線(その17)

[定理]正n角形が半径1の円に内接している.ひとつの頂点からでるすべての辺と対角線の長さの積は頂点数に等しい.

 したがって,辺と対角線の長さの平方の積は頂点数の2乗に等しい.たとえば,n=3のときは対角線をもたないので,辺の長さ√3→平方の積=(√3)^4=9.n=4のとき,この単位円に内接するのは正方形であるから,可能な長さは辺の長さ√2と対角線の長さ2である→平方の積=(√2)^4・2^2=16.

 それでは,正多面体が半径1の球に内接しているとき,すべての辺と対角線の長さの平方の積を求めることにする.

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 ある頂点におけるLjの本数をNj,正多面体の頂点数をVとする.外接球の半径をrとした場合,単位球に換算するための補正項をKとおくと,

  K=1/r^2

  Q=Π(√KLj)^(2Nj)=P^2

で与えられるので,すべての辺と対角線の長さの積Pの平方になるだけのことである.

【1】正四面体   :Q=18.964≠V^2

【2】立方体    :Q=179.797≠V^2

【3】正八面体   :Q=64≠V^2

【4】正十二面体  :Q=45408.5≠V^2

【5】正二十面体  :Q=1342.18≠V^2

【6】正5胞体   :Q=39.0624≠V^2

【7】正8胞体   :Q=20736≠V^2

【8】正16胞体  :Q=256≠V^2

【9】正24胞体  :オーバーフロー

【10】正600胞体:オーバーフロー

【11】正120胞体:オーバーフロー

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