■平行体の体積とグラミアン(その4)

 {3,・・・3,3}(1,・・・,1,1)系すなわち置換多面体のfベクトルは

  f0=(n+1)!,f1=nf0/2,fn-1=2(2^n−1)

{3,・・・3,4}(1,・・・,1,1)系のfベクトルは

  f0=2^n・n!,f1=nf0/2,fn-1=3^n−1

で与えられます.

 長い間,中断していましたが,

 {3,・・・3,3}(1,・・・,1,1)系と{3,・・・3,4}(1,・・・,1,1)系の体積公式については,まだ一般式を得ていません.再開したいと思います.

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【1】{3,・・・3,3}(1,・・・,1,1)系

 3次元の場合,全体を1次元あげて4次元正単体の境界多面体

  V1(1,0,0,0)

  V2(0,1,0,0)

  V3(0,0,1,0)

  V4(0,0,0,1)

  x+y+z+w=1

をとるとしよう.

 x≧y≧z≧w≧0なる点P(x,y,z,w)が与えられたとき,ずべての稜線の長さが等しくなるのは,点Pからw=0平面,x=y平面,y=z平面,z=w平面までの距離が等しいときである.点Pをn−1次元境界多面体上の点すなわちw=0として,点P(x,y,z,0)からx=y平面,y=z平面,z=w平面までの距離を等しくとると

  (x−y)/√2=(y−z)/√2=(z−w)/√2

 → x=3z,y=2z,z=z,w=0

これらは,x+y+z+w=1上の点であるから代入すると,6z=1

 → x=1/2,y=1/3,z=1/6,w=0

一般には,S=n(n+1)/2として

 → x=n/S,y=(n−1)/S,z=(n−2)/s,・・・,w=0

 また,中心座標は

  c(S)=(1/(n+1),・・・,1/(n+1))

それぞれの胞心は

  c(A)=(1/n,1/n,・・・,1/n,0)

であるから,重心から各頂点に向かうベクトルは

  (n/S−1/(n+1),(n−1)/S−1/(n+1),・・・,0−1/(n+1))

重心から各胞心に向かうベクトルは

  (1/n−1/(n+1),1/n−1/(n+1),・・・,0−1/(n+1))

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【2】{3,・・・3,4}(1,・・・,1,1)系

 n次元正軸体の頂点の座標は

  (1,0,・・・,0)

  (0,1,・・・,0)

  ・・・・・・・・・・・

  (0,0,・・・,1)

で与えられるから,基本単体の座標はk次元面の重心をとることによって,

  p0(1,0,・・・,0)

  p1(1/2,1/2,0,・・・,0)

  p2(1/3,1/3,1/3,0,・・・,0)

  ・・・・・・・・・・・・・・・・

  pn-1(1/n,1/n,1/n,・・・,1/n)

  pn(0,0,・・・,0)

 3次元の場合,x≧y≧z≧0なる点P(x,y,z)が与えられたとき,ずべての稜線の長さが等しくなるのは,点P(x,y,z)からx=y平面,y=z平面,z=0平面までの距離を等しくとると

  (x−y)/√2=(y−z)/√2=z

 → y=z+√2z

   x=y+√2z=z+2√2z

これらは,x+y+z=1上の点であるから代入すると,

  3z+3√2z=1 → z=1/(3+3√2)

また,点P(x,y,z)のz=0平面に対する鏡映は(x,y,−z)であるから,辺の長さは2z.

 4次元の場合は,点P(x,y,z,w)からx=y平面,y=z平面,z=w平面,w=0平面までの距離を等しくとると

  (x−y)/√2=(y−z)/√2=(z−w)/√2=w

 → z=w+√2w

   y=z+√2w=w+2√2w

   x=y+√2w=w+3√2w

これらは,x+y+z=1上の点であるから代入すると,

  4w+6√2w=1 → w=1/(4+6√2)

また,点P(x,y,z,w)のw=0平面に対する鏡映は(x,y,z,−w)であるから,辺の長さは√2w

 一般には,S=n(n−1)/2として

 → nω+S√2ω=1,ω=1/(n+S√2)

   x=(1+(n−1)√2)ω,y=(1+(n−2)√2)ω,z=(1+(n−3)√2)ω,・・・,ω=ω

となることが理解される.

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