■五角形のタイル貼り、新しいパターンの探索(3)

 前2回は結果的にはタイプ2に分類される五角形から構成できる2種類のパターンを、マジョリー・ライスさんのスケッチを掘り起こしながら紹介してきた。今回はタイプ1(連続する3つの角度の和が360度)に分類される五角形が、ある付加条件の下で構成する美しいパターンを紹介しよう。

2A+B=C+D+2E=360°

b=c=e

 左側の4枚組みと右側の4枚組みとは反転の関係にあり、これら8枚で平行移動の基本領域をなしている。これについてもライスさんがスケッチを残している。

もうひとつ。

D=E=90度、B=90度、A=C=135度

a=b=c=d=1とすると、e=√2 つまり総白銀比の4枚組みの五角形タイル貼りである。

 このように、タイプ1やタイプ2に分類される五角形のなかには、付加条件をともなって2倍、4倍などの基本領域をもつ新たなパターンを構成できるものがある。杉本さんは6月の形の科学会でライスさんの見つけたおもしろいパターンなどを紹介してくれるそうだ。   (中川宏)

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