■n次元の立方体と直角三角錐(その65)

 (その61)−(その63)については,部分的な解決が得られたのみで全面解決には至らなかった.一松信先生に確認したところ,先人達も苦心した難題であるとのことであった.私はそのことを知らなかったのだが,念のため,掲載しておきたい.

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 単純多面体に対するデーン・サマービル恒等式

  fk=Σ(0,k)(−1)^j(n−j,n−k)fj

はnが奇数2m−1のときと1つ大きい偶数のときには,f2mが打ち消し合って同一の式になりますので,これだけではf2mは定まりません.

 たとえば,n=3の式から導出される

  f3=(n−2)/2f2−n(n−1)(n−2)/24f0

といった等式は成立しますので,nが小さいときにはオイラー・ポアンカレの公式(D・S恒等式でn=kとしたとき)と組み合わせて,f2の数値が計算できますが,これだけではn=6でゆきづまります.

 f2,f3にも何か簡単な式がありそうですが,数値を眺めるだけでは何もできません.ともかく先人達も苦心した難題と思います.   (一松信)

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