■n次元の立方体と直角三角錐(その59)

 ゾーン多面体はロシアの結晶学者フェドロフによって導入されたが,コクセターはその定義を勘違いしていたようである.

  [参]宮崎興二・石井源久・山口哲「高次元図形サイエンス」京都大学学術出版会

にも平行多面体の定義を勘違いして,高次元の落とし穴にはまっているのではないかという記述がみられる.

 同書p132,p192によれば,平行多面体として

[1]4次元立方体{3,3,4}(0,0,0,1)

[2]4次元{3,3,4}(1,1,1,0)={3,4,3}(1,1,0,0)

[3]4次元{3,3,3}(1,1,1,1)

[4]4次元{3,3,4}(1,1,1,1)

[5]4次元{3,4,3}(1,1,1,1)

[6]4次元{3,3,5}(1,1,1,1)

[7]n次元立方体{3,3,・・・,3,4}(0,0,・・・,0,1)

[8]n次元{3,3,・・・,3,4}(1,1,・・・,1,0)

[9]n次元{3,3,・・・,3,3}(1,1,・・・,1,1)

[10]n次元{3,3,・・・,3,4}(1,1,・・・,1,1)

がリストアップされている.

  石井源久「多次元半正多胞体のソリッドモデリングに対する研究」

によれば

[1]8胞体

[2]48胞体(NG)

[3]30胞体

[4]80胞体(NG)

[5]240胞体(NG)

[6]2640胞体(NG)

[7]2n胞体

[8]Σ(n,k)2^(n-k)=Σ(n,k+1)2^(k+1)胞体(NG)

[9]Σ(n+1,k+1)=2(2^n−1)胞体

[10]Σ(n,k)2^(n-k)胞体=Σ(n,k+1)2^(k+1)胞体(NG)

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