■調和級数の収束?(その2)

 調和級数

  H∞=1/1+1/2+1/3+1/4+・・・

は,はじめの1000項で7.485,100万項で14.393,10億項で21.3,1兆項で28.2と非常にゆっくりとですが大きくなり,ついには無限大に発散します.

 調和級数は何世紀にもわたって収束するものと誤って考えられていたのですが,14世紀,オレームが調和級数は発散することを証明しました.調和級数が発散することは容易に示すことができます.

 1/3+1/4>1/4+1/4=1/2

 1/5+1/6+1/7+1/8>1/8+1/8+1/8+1/8=1/2

 ・・・・・

したがって,

  H∞>1+1/2+1/2+1/2+1/2+・・・→∞

 1兆項でも約28.2にしかならないわけですから,調和級数の部分和を100にするには10^43項,1000にするには10^434項まで加算する必要があるそうです.

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 調和級数Hn=Σ(1/n)は非常にゆっくりとですが大きくなり,ついには無限大に発散することはわかりました.

  1/1+1/2+1/3+1/4+・・・+1/n〜logn→∞

 それと関連して,y=1/xの回転体である「トリチェリのラッパ」の表面積は無限大であるが,体積は有限であることを示すことができます.

  1/1^3+1/2^3+1/3^3+1/4^3+・・・→1.20・・・

 「トリチェリのラッパ」のパラドックスは,ゼウスの漏斗,ガブリエルのホルンともよばれることがあるのですが,体積有限・表面積無限の例として,同様に

  1/√1+1/√2+1/√3+1/√4+・・・→∞

  1/1√1+1/2√2+1/3√3+1/4√4+・・・→2.61・・・

も容易に示すことができます.

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