■面正則多面体の展開図とシェパードの定理(その11)

 今回のコラムでは(その10)を補足しておきます.

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【1】基本領域

 格子の基本領域とは平行移動して平面全体を重なり合わずに敷き詰めることのできる平行四辺形領域のことです.タイル貼り可能の必要条件は,面正則多面体の展開図がこれらの基本領域と同じ比率になることですが,プラトンの平面充填形:三角格子(3^6),正方格子(4^4),六角格子(6^3)ではそれぞれ正三角形,正方形,正六角形ですが,アルキメデスの平面充填形では

(3^46) :正三角形:正六角形=8:1

(3^34^2):正三角形:正方形=2:1

(34^26):正三角形:正方形:正六角形=2:3:1

(3^26^2):正三角形:正六角形=2:1

(48^2) :正方形:正八角形=1:1

(4612):正方形:正六角形:正十二角形=3:2:1

(312^2):正三角形:正十二角形=2:1

となります.

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【2】擬似一様タイルにおける基本領域とは?

 2回回転対称で定幅になる擬似一様タイルを考えた理由は,それが平行四辺形となる基本領域のことを意識してのことです.ジョンソン立体で正三角形と正方形と正六角形でできるものは全部で8種類ありますが,中心対称(2回回転対称)で差し渡し幅が一定という必要条件を満たす多面体はJ55,J56,J57と六角反柱だけです.

 正確にいうと,六角反柱は正三角形と正六角形だけを含む多面体です(切頂四面体も正三角形と正六角形だけを含む多面体ですが,前述の必要条件を満たす解はありません).正三角形と正六角形からなる面正則多面体に関しては,差し渡し幅が一定の展開図という条件は不要になり,中心対称(2回回転対称)の条件下で探索すればよいのです.

 六角反柱は面が共面(co-planar)となったデルタ多面体と考えることができるので,性質TPをもつのはむしろ当たり前というわけです.(J55,J56,J57は正三角形と正六角形に加え,正方形でできていますので,六角反柱とは事情が異なっています.)

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