■デーン不変量と二面角の幾何学(その40)

 (その38)では,誤解を生じさせた原因についてあらためて考えてみた.

[1]いささか意外なことに,4次元正120胞体の二胞角は正確に144°で,正十角形の内角に等しい.

[2]4次元空間ですべて正四面体でできている正5胞体,正16胞体,正600胞体の3個の正多胞体の胞の間の角の和は360°である.

 しかし,もっと根源的な誤解の原因となっているのは,2次元において

[3]平行移動と反転だけで平面を敷き詰めることができる正多角形は,正三角形・正方形・正六角形しかない.正五角形は平面充填形ではないが,正方形に等面変形することは可能である(ボヤイ・ゲルヴィンの定理).

であろう.

 また,単一種による空間充填であればともかく,複数の種類による空間充填では事情はより複雑である.

[4]3次元の正四面体や正八面体は立方体に解体再編されない.また,正八面体は正四面体に解体再編されない.しかし,両者の組み合わせによる空間充填は可能で,正四面体と正八面体による空間充填では元素数が1だけ減る.

 3次元のδ4+δ8=π(これは空間充填形である)

 4次元のδ1+δ3+δ6=2π>π(これは空間充填形ではないから,元素数は減らない),

 8次元のδ1+2δ3=2π(これは空間充填形ではあるが,元素数は減らない)

 正多面体の元素定理が「空間充填」と「分解合同」の中間に位置していることが理解されるだろう.

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