■デーン不変量と二面角の幾何学(その39)

 (その37)において,

[1]8次元立方体と8次元正四面体の両者を共通の片から構成する

[2]8次元立方体と8次元正八面体の両者を共通の片から構成する

[3]8次元正四面体と8次元正八面体の両者を共通の片から構成する

というのは,両者のデーン不変量が異なるから無理である.したがって,元素数が2であると仮定すると矛盾を生じるので,元素数は3となる.8次元でなく,3次元の場合であっても

[4]3次元正四面体と3次元正八面体の両者を共通の片から構成する

ことは,両者のデーン不変量が異なるから無理である.

と書いたところ,一松信先生よりコメントを頂いたので紹介する.

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 2種類の立体で空間充填形ができても,両方をうまく組み合わせてその次元の立方体ができるとは限らず,また,もとの2種類がさらに分割して同一の素片から組み立てられるとも限りません.3次元空間での正八面体と正四面体による空間充填がその典型例です.

 8次元空間で類似の充填形ができるのに迷ったのかと推察申します.5次元以上で3種類の標準正多面体が互いに分解合同でないことは既に確定しています.

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