■n次元の立方体と直角三角錐(その24)

 今回のコラムでは,本来の位置で基本単体をRPを作る超平面で切った切片を考えてみる.その切片は多分全部で4種類になると予想される.基本単体16個(=384/24)でRPが構成できれば万々歳であるが,そうは問屋が卸さないのである.

 しかし,その切片を組み立て直せば基本単体にもRPにもなるから,有望な4次元の素片としての価値があるだろう.

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【1】もうひとつの基本単体の分割

 基本単体の対角線の中点

  (1/2,1/2,1/2,1/2)

を通る超平面

  x1+x2+x3+x4=2

は4次元立方体の頂点

  (2,0,0,0)

も通ります.

 そこで,基本単体

  p0(0,0,0,0)

  p1(1,0,0,0)

  p2(1,1,0,0)

  p3(1,1,1,0)

  p4(1,1,1,1)

の鏡像体を

  p0(2,0,0,0)

  p1(1,0,0,0)

  p2(1,1,0,0)

  p3(1,1,1,0)

  p4(1,1,1,1)

とおいて,各辺の交点を求めてみることにします.

 直線p0p4は

  −(x1−2)=x2=x3=x4

で表されます.したがって,p0p4との交点は

  (2,0,0,0)

 直線p1p4は,

  x1=1,x2=x3=x4

したがって,p1p4との交点は(1,1/3,1/3,1/3)

 直線p2p4は,

  x1=x2=1,x3=x4

したがって,p2p4との交点は(1,1,0,0)となってp2と一致します.

 直線p3p4は,

  x1=x2=x3=1

したがって,解は(1,1,1,−1)となってp2p4とは交わりません.

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 次にp0を通る直線の場合を調べてみます.直線p0p1は

  x2=x3=x4=0

ですから,x1=2となって,交点は(2,0,0,0)

 直線p0p2は

  −(x1−2)=x2,x3=x4=0

ですから,線分p0p2全体が交線となります.

 直線p0p3は

  −(x1−2)=x2=x3,x4=0

ですから,x1=2,x2=x3=0となって,交点は(2,0,0,0)となります.

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 次にp1を通る直線の場合を調べてみます.直線p1p2は

  x1=1,x3=x4=0

ですからx2=1.したがって,交点は

  (1,1,0,0)

となり,p2と一致します.

 直線p1p3は

  x1=1,x4=0

ですから,x2=x3=1/2.交点は

  (1,1/2,1/2,0)

となります.

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 p2を通る直線p2p3では

  x1=x2=1,x4=0

ですからx3=0.したがって,交点は

  (1,1,0,0)

となり,p2と一致します.

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【2】切片の計量

 この切片はどのような形になっているのだろうか? 基本単体の頂点

  p0(2,0,0,0)

  p1(1,0,0,0)

  p2(1,1,0,0)

  p3(1,1,1,0)

  p4(1,1,1,1)

と前節で求めた4交点

  (2,0,0,0)

  (1,1/3,1/3,1/3)

  (1,1,0,0)

  (1,1/2,1/2,0)

はすでにわかっている.また,4次元の立方体の基本単体の稜数は10であるから,これ以外に交点はない.

 切り口は(3次元)四面体で,直角三角形4枚よりなる.

  1:√3:2(正三角形の半分)

  1:√8:3

  2:√8:√12

  √3:3:√12(正三角形の半分)

 x1+x2+x3+x4≦2の部分をとると,5頂点

  q0(2,0,0,0)

  q1(1,0,0,0)

  q2(1,1,0,0)

  q3(1,1/3,1/3,1/3)

  q4(1,1/2,1/2,0)

が頂点となる.これは単体(5胞体)で,q1を除く点は超平面x1+x2+x3+x4=2上にあるから,(3次元)四面体を底とし,4個の四面体が一頂点に集まった4次元の「4面体角錐」である.

 辺の長さは

  q0q1=1,q0q2=√2,q0q3=√(4/3),q0q4=√(3/2)

  q1q2=1,q1q3=√(1/3),q1q4=√(1/2)

  q2q3=√(2/3),q2q4=√(1/2)

  q3q4=√(1/6)

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 それに対して,x1+x2+x3+x4≧2の部分をとると,6頂点

  q0(2,0,0,0)

  q1(1,1,1,1)

  q2(1,1,1,0)

  q3(1,1,0,0)

  q4(1,1/3,1/3,1/3)

  q5(1,1/2,1/2,0)

が頂点となる.これは6胞体で,q1,q2を除くと超平面x1+x2+x3+x4=2上にある.

 辺の長さは

  q0q1=2,q0q2=√3,q0q3=√2,q0q4=√(4/3),q0q5=√(3/2)

  q1q2=1,q1q3=√2,q1q4=√(4/3),q1q5=√(3/2)

  q2q3=1,q2q4=1,q2q5=√(1/2)

  q3q4=√(2/3),q3q5=√(1/2)

  q4q5=√(1/6)

となることがわかる.

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