■初等幾何の楽しみ(その5)

 (その4)では平行四辺形の場合を扱った.次は台形の番とすべきかもしれないが,ここでは任意の四角形を扱ってみよう.

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【1】辺の2等分

 四角形の中点を結んでできる四角形は平行四辺形(ヴァリニョンの平行四辺形)である.この小さい平行四辺形の面積はもとの四角形の面積の1/2,周長は対角線の長さの和に等しい.四角形を対角線で2つの三角形に分け,中点連結定理を適用すればこのことがわかる.

 したがって,四角形の対辺の中点を結ぶ線分は互いに他を2等分することもわかる.

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【2】辺の3等分

 もとの四角形の各辺の3等分点をとり,隣り合った3等分点を結ぶと8角形になるが,この線分の延長上にできる交点を結んでも平行四辺形ができる.この平行四辺形はウィッテンバウアーの平行四辺形と呼ばれる.

 もとの四角形の重心はウィッテンバウアーの平行四辺形の中心と一致する.

(証)四角形を対角線で2つの三角形に分けると,三角形の重心はもとの四角形とウィッテンバウアーの平行四辺形の交点を結ぶ線分の中点となる.したがって,もとの四角形の重心はウィッテンバウアーの平行四辺形の対辺の中点を結ぶ直線上にあることがわかる.同様に,もうひとつの対角線で2つの三角形に分けると,もとの四角形の重心はウィッテンバウアーの平行四辺形の中心と一致することが結論される.

 ウィッテンバウアーの平行四辺形の面積はもとの四角形の面積の8/9,周長は対角線の長さの4/3に等しい.また,もとの四角形とウィッテンバウアーの平行四辺形が重なった部分の8角形の面積はもとの四角形の面積の7/9,ウィッテンバウアーの平行四辺形の面積の7/8に等しい.

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