■三角形の相似分割(鏡映を区別して)

 幾何学では相似や合同を鏡映(反転)を含めて同じものとみなすのが一般的だそうだが,平面充填の周期性・非周期性を意識すると,鏡映を区別することも意味を持つ場合があるだろう(中川宏).

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(イ)2等分

 左の図のように,二等辺三角形は一般に合同図形に2等分出来るが,2等分片はもとの三角形と相似ではなく,かつ相互に鏡映である.ただひとつ,右の図のような直角二等辺三角形だけは,2等分片がもとの図形と相似であり,かつ鏡で区別されない合同図形となる.

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(ロ)3等分

 正三角形を左の図のように3等分すると,分割片は鏡で区別されないが,元の図形とは相似ではない.他方,右の図のように,正三角形の半分の直角三角形を3等分すると,元の図形と相似になるが,3つのうち1つは鏡映図形となる.

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(ハ)4等分

 一般に三角形は相似で合同な図形に4等分出来るが,それらは鏡で区別されない.しかし,右の正三角形の半分の直角三角形の場合は2:2で鏡映図形に分割することもできる.

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(ニ)5等分

 直角をはさむ2辺の比が1:2の直角三角形は相似で合同な図形に5等分できるが,それらは3:2の比で鏡映図形となる.

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(ホ)6等分

 正三角形は合同に6等分出来るが,それらは元の三角形と相似ではない.また,3:3で鏡映図形になる.

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