4次元正多胞体(頂点数v)が半径1の球に内接しているときも,すべての辺と対角線の長さの平方和はv^2で与えられることが確かめられた.この定理は4次元正多胞体に限らず,n(≧5)次元正多胞体について常に成立する.
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【1】正n+1胞体
n次元正単体の頂点の座標を
(1,0,・・・,0)
(0,1,・・・,0)
・・・・・・・・・・・
(0,0,・・・,1)
としよう.これらの頂点間距離は√2である.頂点数はn+1個あり,各頂点からはn本の稜がでて,すべての頂点を結ぶと単体ができあがる.
これらの座標が与えられたとき,残りの1点の座標は
(x,x,・・・,x)
とすることができる.他の頂点との距離は√2であるから,
(x−1)^2+(n−1)x^2=2
すなわち,
nx^2−2x−1=0
を満たさなければならないことより,
x={1−√(1+n)}/n
が得られる.
n+1個の頂点:
V1(1,0,・・・,0)
V2(0,1,・・・,0)
・・・・・・・・・・・
Vn(0,0,・・・,1)
Vn+1(x,x,・・・,x)
の中心座標(体心)は
((x+1)/(n+1),・・・,(x+1)/(n+1))
である.
x−(x+1)/(n+1)=−1/√(1+n)
より,外接球の半径は(n/(1+n))^1/2
L1=√2,N1=n
V=n+1,K=(1+1/n)
K=1/r^2
SS1=K・ΣLj^2
SS2=K・V/2×ΣNjLj^2
を計算すると
SS1=2(1+1/n)
SS2=(n+1)^2=V^2
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【2】正2n胞体
(±1,±1,±1,±1,・・・)を頂点とする1辺の長さ2,外接球の半径√nの正2n胞体を考える.頂点数は2^n個あり,各頂点からはn本の稜がでる.
L1=2,N1=n
L2=2√2,N2=n(n−1)/2
L3=2√3,N3=n(n−1)(n−2)/6
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Ln=2√n,Nn=1
V=2^n,K=1/n
SS1=2(n+1)
SS2=(2^n)^2=V^2
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【3】正2^n胞体
(±1,0,・・・,0)
(0,±1,・・・,0)
・・・・・・・・・・・・
(0,0,・・・,±1)
を頂点とする1辺の長さ√2,外接球の半径1の正2^n胞体を考える.頂点数は2n個あり,各頂点からは2(n−1)本の稜がでる.
L1=√2,N1=2(n−1)
L2=2,N2=1
V=2n,K=1
SS1=6
SS2=(2n)^2=V^2
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【4】雑感
1次元の単位球は直径に退化し,その2頂点は(1,0),(−1,0)より直径の長さ2であるから,平方和SS=4.これですべての次元において,単位球に内接する正多胞体のすべての辺と対角線の長さの平方和はv^2で与えられることが確かめられたことになる.
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