■n次元の立方体と直角三角錐(その19)

 頂点数n+1のn次多面体はn次元単体であるが,頂点数n+2のn次多面体を考えると[n^2/4]個の組み合わせ型が存在するという.各面が単体(三角形面)からなる多面体は単体的多面体と呼ばれるが,このなかで[n/2]個は単体的多面体で,残りはこの単体的多面体上に何重がのピラミッドをとったものである.

 それでは,胞数n+2のn次多面体ではどうなっているのだろうか?

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【1】n次元多面体の構成要素数(オイラー関係式)

 fkをn次元多面体のk次元面の数とし,

  (f0,f1,・・・,fn-2,fn-1)

を構成要素とするn次元正多胞体は,オイラー・ポアンカレの定理:

  f0−f1+f2−・・・+(−1)^(n-1)fn-1=1−(−1)^n

すなわち,nが奇数なら2,偶数なら0を満たす.偶数次元のオイラー・ポアンカレの公式は定数項がない同次式である.

 同次式を避けるために,n次元面fn=1を加えると

  f0−f1+f2−・・・+(−1)^(n-1)fn-1+(−1)^nfn=1

  Σ(0,n)(−1)^jfj=1

が成り立つ.

 この定理は正多胞体に限らず,n次元凸多胞体について常に成立する.たとえば,n=2についてはv=e,n=3についてはv−e+f=2となるが,凸多面体に関する最も有名な公式であろう.

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【2】デーン・サマービル関係式

 各頂点がn本の辺上にあるn価のn次多面体(単純多面体)に対しては,デーン・サマービル関係式

  fk=Σ(0,k)(−1)^j(n−j,n−k)fj

が成り立つ.

 単純n次多面体に対して,与えられたj次面を含むk次面の数は(n−j,n−k)になる.k=nのときがオイラー関係式であるが,オイラー関係式は単純多面体だけでなく任意の多面体に対して成り立つ.

 デーンは1905年に5次元においてこの関係式を証明した.およそ20年後の1927年,サマービルが一般の場合を証明した.

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