■直角三角錐の分割

 ここで取り上げる直角三角錐は

  P0(0,0,0)

  P1(1,0,0)

  P2(1,1,0)

  P3(1,1,1)

を4頂点とする四面体である.この多面体(terradron)にはいくつかのおもしろい性質がある.

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【1】レプタイル

 任意の三角形の3辺の中点を結ぶと,もとの三角形は合同な4つの三角形に分割される.新たに生じた三角形はもとの三角形と相似(相似比1:2)である.このように任意の三角形は自分自身と相似な4個の三角形に分けることができる.

 しかし,自分自身と相似な8個の三角錐(相似比1:2)に分けることができる三角錐は稀である.terradronは8個でもとの三角形と相似比1:2,27個で相似比1:3の三角錐にできる特殊な三角錐である.

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【2】ダブル充填多面体

 そして,このプロセスは何度も繰り返すことができるから,tetradronは空間充填多面体である.また,tetradronの展開図は平行六辺形であるから,空間充填かつ展開図が平面充填であるというユニークな特徴(ダブル充填)がある.

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【3】平行多面体の元素

 tetradronは2つの合同な5面体(pentadron)に分割できる.ゴールドバーグの論文によると2つの合同な5面体に分割ができる空間充填4面体はいくつか知られているが,pentadronは5種類ある平行多面体をすべて組み立てることができる特殊な5面体である.

 

 フェドロフの平行多面体5種とは立方体,正六角柱,菱形十二面体,切頂八面体,長菱形十二面体のことであるが,3次元の平行多面体がすべて同一の素片(1種)で組み立てられるというのが「平行多面体元素定理」である.

[Q]tetradronを2つの合同な5面体(pentadron)に分割せよ.

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