■n次元の立方体と直角三角錐(その14)

 平面上の地図を塗り分けるには4色が必要かつ十分である(4色問題)・・・4色で塗り分けられることはわかったが,なぜ4色なのかは依然として謎である.理由が知りたいところであるが,私には何も答えられない.

 すべての正多面体を作るには4種類が必要かつ十分であることがわかった(正多面体元素問題)・・・しかし,なぜ4種類なのかという理由をこのシリーズでは明確に答えてきたつもりである.

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【1】正軸体の基本単体の切断

 正軸体の基本単体の切断は案外簡単であった.(その13)に掲げた正軸体の基本単体を2/3の位置できる話は面白いのであるが,n次元の場合にどういう意味があるのだろうか?

 3次元のときは切頂八面体という重要な準正多面体になる.この図形は3次元の対心立方格子のボロノイ領域であるから,自然に空間充填形になる.4次元に機械的に適用すると切頂16胞体(胞は8弧の正八面体と16個の切頂四面体)ができる.これは4次元の準正多胞体のひとつとして重要であるが,4次元の体心立方格子(F4格子)のボロノイ領域は(向きを変えた)正24胞体そのものである.

 このことが正24胞体素片(とくに超立方体の切り口である直角錐)から構成するするのに参考になる.ただし,これは4次元特有であって,5次元以上の体心立方格子のボロノイ領域は対角線の半分(中心から頂点までの距離)が1辺より長いために3次元の場合とは変わった形になり,切頂正軸体とは関連がなくなってしまう.結論としては意味がつかめないのである.

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【2】正単体の基本単体の切断

 n=2のとき,正単体(正三角形)の基本単体は正三角形の半分の形(30°,60°,90°の三角形,三角定規のひとつ)であり,合同(ただし裏返しも許す)な3個の同形に分割できる.

 n=3のとき,正四面体は4個の互いに合同な5面体に分割できる.この分割を基本単体に適用すれば4この合同な形に分割され,2個ずつが鏡像体なのでそれらを合わせて2片の素片ができる.

 n次元の正単体の基本単体はn+1個の合同(ただし裏返しも許す)な素片に分割でき,nが偶数のときはn/2+1個とn/2個の鏡像体,nが奇数のときは(n+1)/2個と(n+1)/2個の鏡像体の組になりそうに思われる.

 しかし,これは誤解であった.n次元の正単体をn+1個に等分することは容易であるが,それを基本単体に適用すると基本単体はそのひとつが完全に含まれてしまい,基本単体の分割には意味がなさそうである.正単体の基本単体を分割して有用な素片を作ることは4次元でも難しいのである.

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